片道切符

『これ、片道しかないよ』
『そうよ』
『これじゃあ どうやって戻ってくるんだよ?』
『あなたはまだ何も分かっていないのね』
『え?』
『今日、この月が出る前に赤い龍が空を駆け巡ったでしょ?』
『じゃあ?』
『そうよ、あなたとあの赤い姿を見た時からもう決まっていたのよ』
『それは御伽噺だけの話じゃなかったんじゃ?』
『もともと月は地球の周りを回っていて自由の女神のあの闇の向こうに行っても月には辿り着けないよ』
『フェリーが空を飛ぶって話も聞いたことがないし、』
『他にフェリ-に乗っている人達はどうなるんだよ!』
『それに・・・』
『ははは、人は皆信じないのよ、それを見るまではね』
『でもそれは・・・』
そう言いかけたところで僕の記憶は一部分途切れてしまっていた。
気がつくとオレンジのフェリーが金星が近づく月に向かって航行していた。
そんなことってあるのか、そんなことって。。
昔々で始まるこの文章に僕は何も答えきれずにいた。
・・・・・・昔々、赤い龍が空に翔る姿を見た男女はその日に終わりを向かえ女は月に帰らないといけない・・・・・・
哀しい話だと思いませんか?
by triangleny | 2013-09-12 05:06 | Moon | Comments(2)
どこか現実と虚構の間に佇んているようなお写真ですね。
前の紅色の龍のお写真と
次の摩天楼(でしょうか?)のお写真の中で
一番非現実的な1枚に見えてとてもいいなぁと思いました。
ありがとうございます。
この日は月と金星がよく見える澄んだ空の夜でした。
ここの場所は何度か過去の撮影でも使っている場所なのですが、
月と自由の女神は以前にも挑戦したことがあり今回はもう少し違ったものにしうと考えました。
そこで、このフェリーを入れ込むことにより違った雰囲気が出せると思い、
フェリーの行く向き・自由の女神との距離を考え何枚か撮り、一番物語性の高いものを選びました。
お気に召していただき嬉しく思います!