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皆さま、
Triangle NYカレンダー2024 写真説明についてこのページで書いていきます。
まずは制作するカレンダーについての3つのこだわりについて。
私はニューヨークのランドマークだけを大きく取り上げるという方法でなく、ランドマークを取り上げつつもカレンダーをご自宅などで飾り、毎日見てもらう魅力的な1冊になるよう”3つのテーマ”を入れるようにしました。
カレンダーを制作する時に取り扱う3つのテーマ
1.ニューヨークの季節感を入れる
写真を撮ることを始めたのが2010年。見るもの見るものを撮り続けていく内に美しい街の風景が好きになり、この街にしかないものが数多くあることを写真を通して学びました。そんな中、たまにしか帰れない日本も時々大変恋しく感じます。写真を通して季節を感じる想いで活動しておりますと、日本人として四季折々の瞬間をこちらでも敏感に感じるようになります。元々写真を始めたきっかけはこの街の風景写真を撮り始めること、徐々にそこへ季節を感じるものをフレームに入れてゆくという”サブテーマ”を足し、より魅力的な1枚を創れないか?とフォーカスするようになっていきました。
2024年のカレンダーでは表紙、1月、3月、4月、8月、10月、11月になります。
2.その時代に起こった出来事などを入れる
ニューヨークという舞台で日々起こる偶然や奇跡、普段見ることができない一瞬を入れるようにしています。カレンダー作りは少々時間がかかる為、直近に起こった出来事をすぐに印刷することは出来ないのですが、ここ数年で起こったことなどを入れるようにしています。
2024年のカレンダーでは2月、5月、7月、12月になります。
3.「月とニューヨーク」をテーマにした写真を入れる
こちらは私が2011年から撮り続けているテーマです。スーパームーンを入れる時もありますし、私がこだわって撮影した月の作品の時もあります。
2024年のカレンダーでは6月になります。
表紙:Autumns in Central Park
ニューヨークの秋は、赤、オレンジ、黄色、と街が一変する色に変わります。普段何気なく歩いているストリートも、気にも留めなかった小さな公園も思わず足を止めて見上げてしまう光景が街中に溢れます。もちろんこの1枚に取り上げたセントラルパークは”Autumn in New York”と呼ばれるに相応しい景色になります。
1月:Cozy Snow Day
ニューヨークの冬は寒く雪も降ります。時には地下鉄などの交通機関が止まるくらいの”ウィンターストーム”と言った規模の大吹雪になる時もあります。街の機能が停止した瞬間というのは、普段見ることのないニューヨークの顔が見えたりもします。この時も地下鉄が午後から止まり、不便でしたが車がほとんど通らない静かな日でした。
2月:Bel Air in Brooklyn
当初、ニューヨークに来る時まで私は「ニューヨークにはビンテージカーがいっぱい走っているんだろうな」などと勝手に想像を膨らましておりました。実際来てみるとTOYOTA、HONDA、NISSANといった車の多さに気づかされ、現実を知ることになります。それでもこの街で暮らしていますと、時折お目にかかれない光景に出逢うこともあります。この1枚もまさにブルックリンのアパートメントの駐車場にメタリックグリーンのBel Air 1957が駐車していました。こういうシーンに出逢うと”宝物を見つけた”気分のようになります。
3月:Foggy Morning in Manhattan
朝、街に出てみると東の空から太陽が射す中、逆光で霧が反射して夢の中にいるような光景が目の前に現れることがあります。少し湿った冷たい空気が漂う中、コーヒーを片手に歩くカップル、足早に仕事場へ行く人、子供と一緒に犬を散歩させる家族の姿など、そのすべてが白い光の中に消えてゆく、そんな瞬間をイメージして切り取ってみました。
4月:SAKURA Tunnel
春になると待ちわびたようにセントラルパークに出かけ”春探し”に行きます。この1枚はよく撮り行く場所でソメイヨシノの右手前に小さな橋があり、そこを馬車が渡って桜の世界に吸い込まれ消えてゆくというイメージから”SAKURA Tunnel”と私自身が勝手に名付けています。可愛く写真映えする馬車とシルクハットをかぶった御者(ぎょしゃ)※運転手 が来るまで待つのには苦労することもありますが、自分の思ったイメージが撮れるとカレンダーの1ページとして皆さまに届けたくなります。
5月:Manhattanhenge 2023
「マンハッタンヘンジというのをご覧になったことはありますか?」、写真を見た方に思わず聞いてしまう質問です。簡単に申しますと、マンハッタンのビルとビルの間に太陽が沈む現象です。詳しくは"マンハッタンヘンジ ウィキペディア"をご覧ください。
この現象自体も珍しいのですが、今回は「太陽の中に入った3人のフォトグラファーが太陽を撮っている」という光景に出逢えたことです。自分なりに「ここから撮ろうとしたらこういうものが撮れるだろうな」と予測して現場に行き、セッティングをするわけですが、この時は「さぁ撮ろう!」とファインダーを覗いた瞬間に目の前に広がる光景に大変驚いたのを覚えています。太陽もどんどん沈んでいくし、フォトグラファーも絶えず動き、同じ姿勢でいるわけではないので、思わず緊張が指に走ります。実際、この瞬間が撮れた時はほんの12秒の間でした。
6月:The Full Moon Silhouette
この時の撮影を記録した記事が以下のリンクからご覧になれます、
少し長い記事ですが14枚の写真と共にお楽しみください。
この時のショートフィルムをご覧になりたい方は以下のリンクからご覧くださいませ。
7月:Celebrating Independence Day
アメリカの7月4日は「独立記念日」で、夜になるとあちらこちらで花火が上がります。ニューヨークでは特に”Macy's Fourth of July Fireworks”は夏の名物と呼ばれる一大イベントです。この時、川に5隻の花火打ち上げ用の船が出て、そこから花火がそれぞれの船から打ち上がります。写真に写っているように5隻が同じタイミングで打ち上げられる花火、その中心を捕えた芯が写っていると、さらに美しさが際立ち迫力が増します。ニューヨーカーを盛り上げてくれる5発同時の独立記念日の花火、それ釘付けになる何万人の観衆、赤・白・青とアメリカ国旗色ネオンのエンパイアステートビル、国連本部、クライスラービル、サミット、と1枚の中にニューヨーク独立記念日の夜を凝縮してみました。
8月:Lazy Afternoon
陽炎が出るほどの暑い日、ビーチへ向かう人や冷たいドリンクやアイスを買う人でごった返しているコニーアイランドの駅前。ストリートの工事現場をすり抜け”Wonder Wheel”の観覧車に乗ったり、アミューズメントパークで遊んだ後にビーチに行けるとはしゃいでいる週末を楽しみにしていた子供たち。サングラス片手にビーチサンダルを履いた多くの人々を乗せて駅に到着する列車。そんなブルックリンの夏がここにはありました。
9月:Vintage Autumn
ウェストビレッジの昼下がり、西に傾きかけた太陽の光が向かいのアパートの窓に反射し、柔らかく暖かく照らしてくれた瞬間。放課後前のストリートは少しだけ静かなひととき。青い自転車がレンガ色のアパートとしっくりくる光景でした。
10月:Soft Rainy Day
大雨のある日、もやがかった旧市庁舎前の公園は足元を濡らしながら行き交う人々で流れる時間。けど、そんな大雨をファインダーを通して見てみると、そこには水の中で揺らぐ景色の中を漂うような優しくやわらかな冷たい雨が写っていました。
11月:To the South
秋の紅葉と言えばセントラルパークが有名ですが、ニューヨークの街はセントラルパーク以外でも秋色に染まります。この1枚はリバーサイド近くの自転車道。こんな秋色の中をサイクリング出来るのもまたニューヨークの魅力に一つでもあります。
12月:The Biggest Christmas Tree in New York
ニューヨークで一番大きなクリスマスツリー。ワン・ワールドトレードセンターは2014年11月3日に開業してから2024年でちょうど10周年になります。ワン・ワールドトレードセンターが出来る前、2011年の冬、この大きな建物は巨大なクリスマスツリーに変身しました。100階建ての建物にクリスマス色の電球を付ける事自体大変なのに、まだ工事も終わってないのに、クリスマスが終わったらまた電球を白に戻さないといけないのに、完成させるより前に”その時を楽しむ”=『今を生きる』、まさにそれを体験したひと時。夢を持たせる遊び心を持つ、そんなおおらかな国を垣間見れたクリスマスでした。
以上になります、
最後までお読みいただきありがとうございました。
Triangle NY
植山慎太郎